冬の寒い季節になると、インフルエンザが流行することがよくあります。特に今年はインフルエンザが猛威をふるっており、学級閉鎖や学年閉鎖など様々な影響が出ています。
この感染症は高熱や喉の痛み、咳などの症状を引き起こし、特に高齢者や免疫力が低下した人々にとっては深刻な影響を及ぼす可能性があります。
その中で、意外にも「口腔ケア」がインフルエンザの予防や重症化防止に重要な役割を果たすことが多くの研究で示されています。本記事では、口腔ケアとインフルエンザの関係について詳しく解説し、日常生活で取り入れるべき対策についても紹介します。
Contents
インフルエンザの感染メカニズム

インフルエンザは、ウイルスが鼻や喉、気管支などの粘膜に侵入し、そこで増殖することで感染が広がります。特に乾燥した環境では粘膜が弱まり、ウイルスが侵入しやすくなります。また、口腔内の環境が不適切である場合、細菌やウイルスが増殖しやすくなり、免疫系が効果的に働かなくなることがあります。
口腔内には多数の細菌が存在しますが、不衛生な環境ではこれらの細菌が増殖し、炎症を引き起こしたり、免疫反応を弱めたりする可能性があります。このため、口腔内の清潔を保つことが、全身の健康維持に繋がります。
インフルエンザ予防に有効な手段
1.ワクチン接種
ワクチン接種は、インフルエンザウイルスに対する免疫を強化する最も効果的な方法です。毎年流行する型が異なるため、定期的な接種が推奨されます。
2.手洗い・消毒の徹底
外出後や食事前に石鹸と水で十分に手を洗いましょう。アルコール消毒も有効です。特にドアノブや電車のつり革など、多くの人が触れるものに触れた後は注意が必要です。
3.口腔ケア
口腔内を清潔に保つことで、細菌やウイルスの増殖を抑えることができます。歯磨きや舌清掃、うがいを習慣化し、唾液の分泌を促進させることが重要です。
4.適切な栄養摂取と睡眠
栄養バランスの良い食事と十分な睡眠を確保することで、免疫力を高めることができます。特にビタミンC、ビタミンD、亜鉛などを含む食品が効果的です。
5.適度な湿度管理と換気
室内を50~60%の湿度に保つことで、乾燥による粘膜のダメージを防ぎます。また、定期的な換気でウイルス濃度を下げることが効果的です。
口腔ケアがインフルエンザ予防に有効な理由

1.唾液の役割
唾液は、口腔内を潤し、細菌やウイルスを洗い流す役割を果たします。また、唾液中にはリゾチームやラクトフェリンといった抗菌成分が含まれており、これらが口腔内の感染リスクを低減させます。しかし、唾液の分泌が低下するとこれらの効果が弱まり、感染リスクが高まります。口腔ケアをしっかり行うことで唾液分泌を促進し、自然な防御力を高めることができます。
2. 細菌とウイルスの相互作用
口腔内が不衛生な状態にあると、細菌が増殖し、炎症を引き起こします。この炎症が喉や気道に広がると、インフルエンザウイルスが体内に侵入しやすくなります。また、一部の細菌はウイルスの増殖を助けることが知られており、口腔内環境を整えることが重要です。
3. 免疫系への影響
歯周病などの口腔内の炎症は、全身の免疫系にも悪影響を及ぼす可能性があります。歯周病菌が血流に入り込むと、免疫系が過剰に反応し、全身性の炎症を引き起こすことがあります。この状態ではインフルエンザに対する免疫反応も弱くなるため、歯周病予防が重要です。
口腔ケアとインフルエンザ予防に関する論文
口腔ケアがインフルエンザ予防に有効であることは、多くの研究で示されています。例えば、東京歯科大学の奥田克爾教授らの研究では、口腔ケアを行うことで口腔内の細菌数が減少し、インフルエンザの発症率が低下することが報告されています。
また、特別養護老人ホームでの調査では、口腔ケアを実施したグループのインフルエンザ発症率が有意に低かったとされています。
さらに、神奈川歯科大学の研究では、専門的な口腔ケアを受けた高齢者のインフルエンザ発症率が低下したことが示されています。
これらの研究から、日常的な口腔ケアがインフルエンザ予防に重要であることが明らかです。特に高齢者や免疫力が低下している人々は、定期的な歯科受診と適切な口腔ケアを心掛けることが推奨されます。
高齢者とインフルエンザ予防における口腔ケアの重要性

高齢者は唾液分泌が低下しやすく、口腔内環境が悪化しやすい傾向にあります。また、高齢者は免疫力が低下しているため、インフルエンザの感染や重症化リスクが高まります。ある研究では、施設に入所している高齢者が定期的にプロフェッショナルな口腔ケアを受けた場合、インフルエンザの発症率が低下することが示されています。このような結果から、特に高齢者において口腔ケアの重要性が強調されています。
日常生活でできる口腔ケアの方法
1. 歯磨きと舌清掃
1日2回以上、適切なブラッシングを行い、歯垢を除去することが基本です。また、舌の表面には細菌が付着しやすいため、専用の舌ブラシを使用して清掃を行うことが推奨されます。
2. うがい
うがいは、口腔内や喉に付着した細菌やウイルスを洗い流す効果があります。水や緑茶、うがい薬を使用して、1日数回行うと効果的です。
3. 適度な水分補給
乾燥は唾液の分泌を低下させ、ウイルスの侵入を助長します。室内の湿度を50~60%に保つとともに、こまめに水分補給を行うことで粘膜の健康を維持しましょう。
4. プロフェッショナルケア
歯科医や歯科衛生士による定期的な歯石除去やクリーニングは、口腔内環境を整えるのに非常に有効です。特に歯周病のリスクが高い人は、専門家のケアを受けることをおすすめします。
まとめ
口腔ケアは、単に歯の健康を守るだけでなく、インフルエンザなどの感染症を予防する重要な手段です。
日常生活において口腔ケアを徹底し、適切な歯磨きや舌清掃、うがいを習慣化することで、全身の健康を守ることができます。特に高齢者や免疫力が低下している人にとって、口腔ケアはインフルエンザの予防において欠かせない要素となります。
これを機に、口腔ケアの重要性を再認識し、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
おきた歯科小児歯科クリニックでは患者さんに合わせた口腔ケアの指導を行っていますので、インフルエンザを予防するためにも是非、当院へお越しください。
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