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アマチュアボクシングのマウスピース規定が改定――赤系カラー容認?矯正中の選手には申請義務も

2025年4月1日付で、日本ボクシング連盟が競技規則および医事関連文書を改訂し、アマチュアボクシングにおけるマウスピースの取り扱いについて重要な変更が加えられました。これにより、現場の運用や選手の準備にも影響が及ぶため、歯科医師としての視点から解説いたします。

赤系マウスピースの使用制限が撤廃?

これまで、赤やピンクなどの赤系統のマウスピースの使用は禁止されていました。これは、出血の判別が困難になるという安全上の理由によるものでした。しかし、今回の改訂後の競技規則では、赤系の色を禁じる明確な文言は削除されました。

実際に、2020年版医事ハンドブックには「赤系のガムシールドは使用不可」との記述がありましたが、2025年改訂版の「医事ハンドブック 新旧対照表」では、色に関する文言そのものが削除されています。加えて、「ガムシールド」という用語も「マウスピース」に統一され、色についての記述が完全に省かれています。

「競技中にマウスピースが外れて、口腔粘膜損傷をきたすことがある。…」
― 出典:『医事ハンドブック 新旧対照表(2025年4月1日改訂)』p.20

とはいえ、現時点では医事ハンドブック本体(2025年4月改訂版)には従来通りの記載が残っており、連盟としての公式見解は不明確なままです。このため、実務的には現場の判断に委ねられ、色に関しては「自由」と解釈される場面も出てきています。

歯列矯正中の選手には申請義務

う一つの重要な改訂ポイントは、歯列矯正器具を装着している選手の扱いが明確に規定されたことです。

以下は、「医事ハンドブック 新旧対照表」に示された、矯正器具に関する新たな取り扱いルールです:

「歯列矯正器具を装着している選手は作成した歯科医の許可(診断書)があれば競技が可能である。着脱式の場合は外して競技し、固定式の場合は歯科医が作成したマウスピースを装着しなければならない」
― 出典:『医事ハンドブック 新旧対照表(2025年4月1日改訂)』p.11

この規定は、2025年版『競技規則』にも反映されており、以下のように明記されています:

「歯列矯正を行っている選手が実戦競技を行う場合は、専門医の診断書を必要とする」
― 出典:『日本ボクシング連盟 競技規則(2025年4月1日改訂)』第2条 医学的適格性、p.6

この規定に基づき、矯正中の選手には以下の準備が義務付けられます:

  • 着脱式矯正装置は試合時に取り外すこと。
  • 固定式矯正装置を装着している場合は、歯科医師が作成した専用マウスピースを必ず装着すること。
  • 歯科医師の診断書(許可書)の提出が必須。

これらの要件は大会前のスポーツエントリーズチェックや試合当日の健診でも確認されます。診断書が未提出の場合、出場を認められない可能性がありますので、早めの準備を強く推奨します。

【矯正装置を装着している選手・保護者の方へ】

ボクシング大会出場に必要な「診断書」申請方法

アマチュアボクシングでは、固定式の歯列矯正装置を装着している選手が大会に出場する際には、歯科医師による診断書(許可書)を日本ボクシング連盟所定の書式で提出する必要があります。

▼ どこでダウンロードできるの?

日本ボクシング連盟の公式サイトからダウンロードできます。以下の手順で入手してください。

【ダウンロード手順】

① 日本ボクシング連盟 公式サイトへアクセス

https://jabf-revival.com/

② トップページ上部メニューから

「各種書式ダウンロード」 をクリック
(スマホの場合は「メニュー」を開いて「各種書式ダウンロード」)

③ 表示された一覧の中から

「医事関係 書式」または「診断書・健康申告書関連」 を探す

④ 「歯列矯正に関する診断書」または

「医事関係書類(別紙3)」というPDFをクリックしてダウンロード

【検索で探す場合】

GoogleやYahoo!などの検索で
🔍「日本ボクシング連盟 矯正 診断書」
🔍「JABF 医事関係書式 ダウンロード」
などと検索してもページにたどり着けます。

【提出についての注意点】

  • 提出先や提出期限は大会ごとに異なるため、必ず大会要項やチーム指導者の指示に従ってください。
  • 矯正装置が「着脱式」の場合は、試合時に外すことで診断書は不要です。
  • 装着したまま出場したい場合(=固定式矯正)は、歯科医師による専用マウスピース着用の上、診断書が必要です。

結論:現場では“色自由”の流れも、赤系は避けるのが無難

今回の改定を受け、現場ではマウスピースの色に対する制限が実質的に撤廃されたと受け取られつつあり、赤系カラーも黙認されるケースが見られます。

しかしながら、公式な医事ハンドブックには色の取り扱いについては旧来通りの記載がされている為、依然として統一された判断基準は存在しないというのが現状です。

そのため、現時点ではトラブル回避の観点から、白・透明・青などの視認性の高い色を選択するのが無難です。特に重要大会や地方大会では、色に関するローカルルールが適用されることもあるため、迷った場合は連盟関係者や医事委員に事前確認を取ることが望ましいでしょう。

また、試合用マウスピースは安全性・適合性・素材の観点からも、専門歯科医師による製作を強く推奨いたします。

資格を持つ歯科医師の探し方も解説します

スポーツの現場で安全に、そしてより良いパフォーマンスを発揮するために、スポーツ歯科医の存在は欠かせません。とくに、マウスピースの装着が義務づけられているアマチュアボクシングなどの競技では、ルールに適した対応ができる専門歯科医が必要です。

■ 日本スポーツ歯科医学会が認定する「認定医」「専門医」「指導医」

日本国内でスポーツ歯科に関する公的な資格を認定しているのが、**「日本スポーツ歯科医学会」**です。同学会では、以下の3段階の資格を設けています:

  • 認定医:スポーツ歯科医学に関する適切な知識と診療技術(または技能)を習得の上、十分な臨床経験を有している歯科医師です。
  • 専門医:高度なスポーツ歯科医学の専門的知識と優れた技能・経験を有し、競技者やスポーツを愛好家の口腔保健と安全に貢献する歯科医師です。
  • 指導医:スポーツ歯科医学の発展と向上を図り,競技者やスポーツ愛好家の口腔保健と安全に貢献する認定医等の指導に秀でた力量を有する歯科医師です。

これらの資格を持つ歯科医師は、スポーツ選手の外傷予防・競技支援・マウスガードの作成・各競技団体のルールに準拠した診断書の作成など、スポーツ現場に即した専門医療を提供できます。

■ 資格を持つ歯科医師の検索方法

このようなスポーツ歯科の有資格者は、「日本スポーツ歯科医学会」公式サイトで公開されています。

▼ 検索手順:

① 以下のリンクをクリックまたは検索
🔗 https://www.jsda.gr.jp/(日本スポーツ歯科医学会 公式サイト)

② トップページの上部メニューから
**「認定医一覧」または「認定医・専門医・指導医 検索」**を選択

③ 「地域別(都道府県)」や「氏名」で検索

➡ 各歯科医師の資格区分(認定医/専門医/指導医)・医院名・所在地などが表示されます。

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おきた歯科小児歯科クリニック
日本スポーツ歯科医学会認定医在籍
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